須田冬美と、どのように接していいかわからなくなっていた。
今まで、病気であることも聞かされていたので、かばいつつも
ごく自然に接してきたつもりだった。
須田冬美が自分に対してライバル心を持っていることは
わかってはいたものの・・・
人の良い、香澄には、人を陥れるという発想はまったく
理解できないことだったし、思い浮かびもしなかった。
どのように、須田冬美に接したら良いのか・・・
普通にしているつもりでも、また慧子に泣きつかれたら
どうしたらいいんだろう・・・
香澄は、だんだんと須田冬美を避けるようになった。
恐ろしかったのだ。
何も意地の悪いことなんかしていないのに・・・
常に、須田冬美は被害者なのだ。
何もしていなくても、加害者にされてしまう。
香澄は、須田冬美に首を絞められる、恐ろしい夢を見た時の
自分の方へ垂れ下がってくる黒い長い髪の気持ち悪い感触が
忘れられなかった。
あれは、やはり夢ではなかったんじゃないのか・・・
香澄は、生霊という言葉を頭に浮かべた。
実際、須田冬美の香澄に対するライバル心は、それほどに
強いものだったのだ。
気になることがあると、一日中そのことばかりを考えている。
なんとしても、自分の目的を達成したい・・・
その思いに取り憑かれたように生きていた。
スタジオの業務の忙しさもあり、香澄はだんだんと
精神的に追いつめられていった。



